SORACOM Conference 2016 “Discovery” レポート – A5 SORACOMxLoRaWAN™ 省電力広域ネットワークへの取組み #scd2016a #soracom
こんにちは、せーのです。今日は東京、西新宿にて行われているSORACOMのカンファレンス「SORACOM Conference 2016 "Discovery"」のレポートをお送りします。
SORACOM Conference 2016 "Discovery"
このエントリではA5トラック「SORACOMxLoRaWAN™ 省電力広域ネットワークへの取組み」のレポートをお送りします。スピーカーは株式会社ソラコム 代表取締役社長 玉川 憲氏、ゲストスピーカーとして株式会社M2Bコミュニケーションズ代表取締役 田中 雅人 氏です。
レポート
- LoRaは乾電池で数年稼働し、広範囲で飛ぶ。いいコトずくめに見えるが通信速度が遅い。テキストデータが送れる程度
- 4月、SORACOMがM2Bコミュニケーションに出資し戦略的に業務提携
- M2Bは日本唯一のLoRa Allianceコントリビューター
M2Bコミュニケーションズ 田中 雅人 氏
- 通信には免許の要る方式と免許の要らない方式がある。LoRaは免許がいらない。
- IoT/M2Mでの要求事項
- 省電力: 電池寿命がながい
- 低価格: デバイスの数が多いため
- 長距離通信: 通信費を安くするためにインフラのコストを下げる
- LPWA(Low Power Wide Area)ではLoRaWANかSigfoxが話題に上がるが通信速度が遅い
- LoRaWANとは「LoRaWANデバイス」から「LoRaWANゲートウェイ」までを通信し「LoRaネットワークサーバ」までの通信規格をそう呼ぶ
- プロトコルは現在日本を含めたアジア全体の周波数を策定中
- その上のMAC層をクラスが3つに分かれる
- クラスAは全体、クラスBはビーコン方式(まだ仕様が曖昧)、クラスCは連続やマルチキャスト用。日本は法律的にクラスBは使えない
- LoRaWANのデータレート。LoRaはそもそも少量のデータを送るネットワークに最適化された方式。元々フランスで水道メータ量を月一で送るために出来たもの
- 現状の日本の規格に合わせると11バイトしか送れないので、それに合わせた仕様を考える必要がある
- SORACOMを使うことでLoRaの使える所はLoRa、使えないところはセルラー等ベストマッチで使うのが良い
SORACOMプラットフォームの拡張
- LoRaモジュールのデータは拡張されたSORACOMプラットフォームにセルラー通信同様に入ってくる
- SORACOM Airを使う方法とインターネットを通してSORACOMにつなぐ方法を選べる
- ネットワークサーバーのデータをどう受け取るか。SORACOM Beam, SORACOM Funnelは既に対応している
LoRa実証実験
- Farmnote: 放牧中の牛の動線をトラッキング@北海道。牧場(約2km)をカバー
- サントリー: クラメソ秋葉原オフィスを中心にどこまで取れるかを実験。将来的には自販機販売データを送ることを検討
- 沖縄ファミリーマート: 沖縄、宜野湾市郊外におけるLoRaの電波距離測定を実験。コンビニLocationを利用した各種サービスとの連携を検討)
九州通信ネットワーク 松崎氏
- 橋のひび割れや傾きをセンサー計測して常時モニタリングする
- 現在は光ファイバー、届きにくいところはSORACOM Airを使っている。電波の届かない所にLoRaを使ってみてはどうか
- 橋梁にLoRaゲートウェイを設置、車でLoRaモジュールをもち山間部のどこまで届くか実験
- 橋の中に空洞があり、そこにゲートウェイを取り付けている
- 結果: コンクリート越しは取れない
- ゲートウェイの位置を動かさない車の中に置いて再試。結果、見通しの良い部分はよく飛ぶ。最大3.8km
- 一般的な車の速度では取れない
- 山と山の間を狙うと遠くまで届く
- ゲートウェイは見通しの良い所に置くことが大切。エリア設計が重要
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LoRaWAN PoCキットの発売&受付を開始
- モジュール、ゲートウェイ、Air、設置サービス、開発キット等を込み込みで提供&トレーニング
まとめ
いかがでしたでしょうか。クラメソでもLoRaの実証実験を行いました。結果色々わかったこともありました。またLoRaデバイスを使ってのソリューションデモ等も作ったりしましたので、後ほどそれはまたブログに書きたいと思いますね。
LoRaはこれからの技術ながらとても可能性を感じるものです。ノウハウをためながら色々な場面に使っていきたいですね。